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シャドーボックスの作り方11

今日でシャドーボックスの作り方シリーズも最終回です。

完成した作品をどうやって飾るか、というとやっぱり額入れですね。

額入れのお話をしたいと思います。

 

プリントを乗せるのが終わったら、ツヤ出しのスプレーなどの溶剤をかけて仕上げしたらシャドーボックスは完成です。そして、それを最終的に額に入れます。

シャドーボックスの作品はシリコングルーを使って厚みがあるので、普通のペラペラの紙を入れるような額(平面額)にはもちろん入りません。写真をいれる額、賞状用の額などですね。

日本では、シャドーボックスはシャドーボックス用の厚みのある立体額に入れるというのが標準になっています。

シャドーボックス用品店に行くと、いくつかのサイズのシャドーボックス額が販売されているので、ちょうど良い大きさのものを買ってきて、それに入れます。立体額といいます。

大抵、額にはその大きさに適した窓の開いたフレームマットも付属されているので、特に額入れの知識が無くても、そのままスポッと入れるだけです。

ただ、一つ注意しないといけないのが、作品の高さ。盛り上げすぎると額に収まらなくなってしまいます。かといって、ペッタリくっ付けすぎてしまうと、額に対して作品が沈んでしまって、見映えが悪くなります。

立体額に入れる場合は、乗せる前から額を用意しておいて、完成品の高さを想像しつつ乗せ始める、というのが不可欠になります。

以上が、日本での額入れの基本です。

立体額はサイズもデザインも限られたものしかありません。納得のいくデザインが無かったら、とても高額な特注額を額屋さんに注文するしかないんですね。

 

でも。

実は、平面額にシャドーボックスを入れる方法があるんです。

これだと、額屋さんに売っている水彩・油彩用の専門的な額をはじめ、写真屋さんのお手頃な額から、雑貨屋にも洒落た額、更には100均のものまで、選択肢がすごく広がりますよね。予算に合わせて選びたいものを選べます。

その方法は、私がアメリカで習ってきた方法なんですが、まずは好みの額を自分で選んで買ってきてもらいます。そして、額に入れるフレームマットの色を選んで頂きます。私の手持ちのサンプルが70色くらいありますので、額と作品にあててみながら、自分の好みの雰囲気に自由に選ぶことが出来るのです。 

詳しい方法は企業秘密ということで割愛させて頂きますが、後は額と作品と預からせて頂き、指定されたマットを使って私が仕上げします。

マット代、額入れ作業費など諸経費はかかりますが、

・多種多様な額から好きなデザインを選べる

・フレームマットのカラーも自分で選べる

・立体額はサイズが限られるので、特注額にしか入らないような大きな作品でも、平面額から選択出来るとなると、特注にしなくてよくなる場合がある(安く済む)

・立体額とは違い、奥行きが固定されないので、好きな高さに完成させた上で、適切な奥行きの額入れができる


というメリットがあります。良いこと尽くしですね。ただ、やっぱりデメリットもあるわけです。

・立体額のように裏側に木枠があるわけではないので(ピッタリと紙張りします)、裏側の見映えは落ちる

・強力な両面テープを使って裏面を紙で覆ってしまうので、そうそう直しはできない(立体額の場合は裏側が木箱になっているので開閉が可能、何度でも取り出して直すことができる)

・立体額は中身を取り出すことにより、別の作品とすぐに差し替えができる(ただし、取り出した作品を廃棄する場合を除き、保管箱を用意するなど保管方法も考えないといけません)が、平面額は簡単には差し替えができない

・紙で覆った上に、壁掛け用のワイヤーをつけるので、壁には掛けられるが棚の上に立てて飾ることはできない(別途スタンドを購入すれば可能です、額に奥行きが出るので、額立てよりは皿立てで検索すると手頃なのが出てくると思います。例えばこちら。)



以上です。

どちらの方法が良いのかは、ご自身の用途によりますので、一概には言えません。

アートコテージでは、どちらでも喜んで対応させて頂きます。

では、11回にわたるシャドーボックスの作り方の投稿を読んでいただき、ありがとうございました‼

引き続き、様々なシャドーボックス投稿をしていきますので、宜しくお願い致します。

シャドーボックスの作り方⑩

今日は仕上げのお話です。

パーツを乗せ終わったら、最後にニススプレーを吹き掛けたり、それに代わる溶剤を筆で塗ったりして仕上げします。
艶を出し、紙を保護するためです。
ただし、必ず塗るわけではありません。
布、和紙などの作品は仕上げ剤をつかいません。下地剤を塗らなかった作品は、仕上げ剤も使わない、というのが鉄則ですね。

また、テカテカに艶を出したくないけど保護はしたい、という場合は艶消しスプレーというのもあるので、そちらを使うのも良いでしょう。
スプレーよりもっと強力なのは、下でご紹介する「スーパークリヤーコート」という透明な溶剤です。筆で塗るのでスプレーよりだいぶ面倒ですか、とびきり艶々になります。もう、紙だということを忘れそうなくらいです。

私が普段使っている仕上げ剤をご紹介しますね。商品の詳しい説明のためアマゾンのサイトを貼り付けていますが、そこが安いからとかいう意味ではありませんので、気になったら色んなお店で探してみてくださいね。


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左から、

ホルベイン  アクリリックメディウム スプレーグロスバーニッシュ AM591 220ml

ホルベイン アクリリックメディウム スプレーグロスバーニッシュ AM591 220ml


アメリカでは、つや出しのスプレータイプしか使っていなかったのですが、帰国の際に船便でも空輸でも、何便でもスプレー缶というのは持ってくる方法がなく、仕方なく世界堂で探して買ったのがこちら。
適当に買った割には、アメリカで使っていたものに近くて普通に使えています。
作品に対して垂直に構え、30センチ以上離して吹き掛けます。自分が吸い込まないように、風向きに注意してくださいね。
一度にたくさんかけず、全体に軽くかかったら1回目は終了。乾くまで5分くらい待ちます。2回目も同じように全体にかけます。かけすぎると液垂れして筋になってしまうので、軽くを何回も、がポイントです。
3回目以降は、艶ので具合を見て必要なら足していきます。艶がある場所とない場所でムラがあると良くないので、艶が足りない所だけにスプレーして、また乾かして、納得のいく仕上がりになるまで繰り返します。


松村工芸 あんでるせんツヤ消しスプレー(21-40-0) 220ml

松村工芸 あんでるせんツヤ消しスプレー(21-40-0) 220ml

テカテカにせず、マットな仕上がりにしたい場合に使う保護スプレーです。
かけ方は上のグロスバーニッシュと同じですが、艶を出す必要がないので、全体にかけるのを2回ほどしたら終了です。


デコピュア スーパークリヤーコート 油性仕上げ剤 531-7018

デコピュア スーパークリヤーコート 油性仕上げ剤 531-7018

スーパークリヤーと謳っているだけあって、艶々加減はダントツです。
筆で少しずつ全面に塗っていきます。
塗りすぎて溜まってしまうと、そこがシミになってしまうので、薄く、を心がけましょう。
塗り終わった後は写真一番右のラッカー系溶剤で筆を洗います。必ずこのピンクのラベルの溶剤も用意しておきましょう。これで洗わないと、筆がガチガチに固まってしまいます。
スーパークリヤーコートは、乾くまで30分以上かかります。(溶剤の厚さによる)
塗ったら一晩寝かせるくらいの気持ちで置いておくと良いでしょう。

次は額入れですね。また次回!

シャドーボックスの作り方⑨

シャドーボックスの作り方も終盤です。
前回は、丸め&乗せ方の捕捉でした。
モデラーを使って紙を形作り、竹串を使ってシリコングルーを切って乗せていくのでしたね。
全てのパーツを乗せると、こんなふうになります。

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紙を重ねる順番は、インストラクション(説明書)を見ながら、番号順に乗せていくのでしたね。
レモンの絵のインストラクションを確認してみましょう。


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12番まであるのがわかります。
12個乗せ終わったら完成です。
何枚も切り口が同じパーツが重なるときは、なるべく均等に段々と重なるのが理想です。
 

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側面から見たときに、黄色いレモンが均等に上がっていってるのがわかりますか?
同じラインが何回も重なるときは、なるべく均等に上げていくとプロっぽくなります。
ただし、均等に上げることに注力しすぎて全体のバランスや見える部分の成形を疎かにしないよう、気をつけてくださいね。
 
乗せ終わったら、次は仕上げです。
今回書こうと思ったら、意外と長くなっちゃったので明日にしますね。
ではでは。
 

Lee Dubin/Dentist Office

ずっと前に作った作品で、まだ紹介していないのがあったので、紹介します。
歯医者Dentist Officeです。
 

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渋い。
どうしてこの絵を作ったかというと、このとき通っていた歯医者の先生が、このおじさんにそっくり!だったからです。
本人は、こんなに太ってないよ!と否定してましたけどね。
作ってプレゼントしました。
とても喜んでいただきました。
そのとき、歯のホワイトニングを検討中だったのですが、保険がきかない結構高額なホワイトニングを半額にしてくれました。
 
技術的には、特記することは何もないですかね、、、
そうだ、右上の方にある黒いアーム部分を持ち上げるのに、シリコングルーでは高さが足りなかったので、プラスチックの透明な棒を使っています。直径2ミリくらいの細くて長いプラスチック棒です。あれ、アクリルかもしれないです。
売ってるときは1メートルとか2メートルとかのながーい棒なので、ニッパーでパチンパチンと切って、棒の端にシリコングルーを付けて、棒を立てます。シリコンが乾いて、しっかり棒が立った状態で固定されていたら、今度は上部の棒の先にもシリコングルーをつけて、持ち上げたい紙を乗せます。慌てず、片方ずつ乾かして固定させるのがポイントです。
プラスチック棒は、シャドーボックスの用具やプリントを売っているようなお店には置いてません。ぜひ、取り扱って欲しいものですが、残念ながら扱っているのを見たことがありません。
アメリカでは、プラスチック専門店で購入していました。マウンテンビューに実店舗があります。
 
日本では、手にはいるかな〜と不安だったのですが、今の所1箇所だけ扱っているお店を見つけました。御茶ノ水にあります。売っているのは、4Fの建築模型、ジオラマ作成材料を扱っているフロアです。木の棒、金属棒に混ざって、プラスチック棒、アクリル棒も置いています。
 
レモン画翠  

lemongasui.co.jp

 

ジオラマ材料を扱っているお店なら、あるのかもしれませんね。このお店以外にもあるんでしょうが、まだ見つけられていません。

 

では、今日はDentist Officeの紹介でした。

商品を1点追加しました

こちらの作品は完売いたしました。

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シャドーボックス完成品の販売をしています。
 
商品を1点追加しました。
ご興味がありましたら、こちらからご覧下さい。
 

シャドーボックスの作り方⑧

今日は、「丸める&乗せる」の捕捉です。

 

丸めて乗せるの説明は前回の記事で書きました。 

art-cottage.hatenablog.com

 

台紙に1枚目を貼るときはシリコングルーを竹串でうすく伸ばして貼り、

2枚目以降はシリコンを1センチぐらい出して竹串で切り取り、ちょこんと紙においてうすく伸ばしたりせず、そのまま上に2枚目を置くようにして貼ります。

どうしてもやりにくい場合を除き、下の紙(乗せられる方の紙)にシリコンを置いてから、上の紙をかぶせるようにしましょう。

このとき、ただふわっと置くのではなく、少し上の紙を押さえつけて、ちょうど良い高さになるよう調節します。

そして、高さが決まったら、台紙ごと持ち上げて目線の高さでまっすぐに見て、紙が左右上下にずれていないか、確認します。下の紙とずれていると、完成したとき美しくないですからね。

さて、シリコングルーなんですが、私は2種類使っています。


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写真上はアメリカで使っていたもの。日本でも愛用者が多いです。商品名がよくわからないので、732と呼ぶことにします。
写真下は東レのもの。732の輸入品よりは安く手にはいるので、日本ではこれを使う人もけっこういます。
特徴を書いておきますね。
 
732
  • 伸びが良い。小さいパーツを高めに乗せたい時など、すっと伸びてくれるので重宝する。
  • 乾くのが早い。作業中にすぐ乾いちゃうので扱いにくい、という人もいれば、せっかちな人は、すぐ乾いてくれるから次の上に乗せるパーツに進みやすいというメリットとして捉えることもあり。
  • 鼻にツーンとくる刺激臭がある。
  • 輸入品なので高い。

 

東レ

  • 732ほどの伸びはない。普通に使っているぶんには充分。
  • 乾くのが遅い。732だと、もたもたしているうちに乾いちゃうから困る、と感じる人には向いているが、東レを使って乾きが遅いから次のパーツに進めない、とイライラする人には向かない。
  • 732ほどの刺激臭はないが、別系統の、やはり独特な薬品臭がある。732よりはマシかな・・?
  • 732より安い。

 

補足はまた出てきたら書きますね。

次は仕上げのお話です。